「山を眺めていると心が満たされて、作品を作る必然性を感じなくなってしまう」数年前東京を離れ、周囲を南アルプス、八ヶ岳、甲斐駒囲まれたのびやかな地に移り住んだ新郷さんの、その頃ふともらした言葉に作家として、人間としてなんだかとっても信用できる気がしたのを覚えています。それから10年、今年の春、小淵沢フィリア美術館での展覧会を訪ねました。みずみずしく豊かに何かが満ちていく感じ、、、。作品を眺めていてとても気持ちが良く、雄大な山や空を感じながら暮らしている新郷さんの日々の思いに共感出来たような気がしました。何をどう表現してもお洒落で都会的な新郷さんに、もう一つ何かが加わった、それは山梨の豊かな自然がくれたものに違いない、そう感じました。



紙にむかい、糸をつぐむ、、、満ちてくるものを心のままに、、、。ものを作ることの幸せな境地を知った新郷さんをうらやましく思いました。今回は紙(こより)と布のコラボレーションです。是非お出かけください。

羊たちの自然のままの風合いを大切に、せっせと糸を紡ぎ、マフラーやショールを織ります。色も手触りもそれぞれの羊で、ドキドキする程異なり、持ち味をそこなわないであたたかい織物にすることに喜びを感じます。(新郷笙子)